茶波 虎之介

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「バカを言え! 親同士が決めた事。 どうにもニャらん。」 「どうにもニャらんって... 人と猫が結婚するって事がどうにもニャらん...でしょう。」 「誰が人ニャ? 相手はれっきとした三毛家の嗣子(しし)。 三毛の男子はこの世の宝。 おミャエには勿体ニャイニャ。」 「ニャイニャじゃなくて... わ・た・しは... 人なの。 どう見ても人間でしょ?」 「ふん、どこが人間ニャンだ? そんな事より急がなければ。 もう日が真上に来てる。」 「やだ、私行かない。 もう馬鹿馬鹿しくなって来た。 帰る。」 私は来た道へ振り返り引き返そうとすると、 「好きニャ!! 本当は昔から好きニャった。 だからおミャエの嫁入りにはずーっと反対したし面白くニャイ。 後悔はしないと何度も自分に言い聞かせて来たが... おミャエがどうしても嫌だと言うのなら... この虎ノ助、一生懸命でおミャエを護ろう。 しかし、茶波家は後世の笑い者になる。」 「虎之介さま... 私はそう言う事を言っているのではニャくて... なくて... 嫁にも行かないし私は人ニャンです。 ...人なんです。 もう勘弁して下さい。」 「サバトラ...殿。 よく分かりミャした。 三毛家には嫁入りしたくないのですね。 然らばここで決心して下さい。 この虎ノ助と落ちミャしょう。 そして沢山 子をもうけて幸せに暮らしミャしょう。」
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