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双子ちゃんの夏
私の部屋に現れる2人の子供達。
長い黒髪の男の子と茶髪の女の子はどうやら双子の様だ。
目と唇がそっくりでひと目見た時にそう思った。
2人共 何を話すでも無く私に話しかけるでもなく気付くとそばに居る。
私が机に向かって何事か思案していると視野の1番端っこで2人立ち竦んでこっちを見てる。
食事をしている時もそばに居て私を見ている。
両親に何気なく2人の存在を確認しても どうやら見えていない様だ。
私はいつも部屋を真っ暗にしないと眠れない性分で月明かりさえ通さない厚めのカーテンで閉め切っているのにもかかわらず、何故か部屋の片隅に双子ちゃんが見えるのには閉口してしまうのだけれども今では慣れてしまった。
何度も2人に話し掛けたり問いかけてみたりしたけど、ひと言の挨拶さえ返って来た事がなかった。
その内私も諦めて双子ちゃんを無視する様になっていた。
それでもたまに「黒髪君」とか「茶髪ちゃん」とか呼んであげると何気に微笑みながらはにかんでいるようにも見えるので2人共 満更でもなさそうだ。
彼らが現れて1年が過ぎても相変わらず何のアクションやリアクションはないまま私の日常の風景に溶け込んでいた。
双子ちゃん達は時に遠くを見て佇み、時には肩を寄せ合って体育座りしたり、仲良く手を繋いでいたりした。
ところが、ある夏の日の熱帯夜。
扇風機を強めに回しながらいつもの様に机に向かって妄想していると茶髪ちゃんが突然 私の二の腕の所を突付いた。
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