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その車掌の言葉を最後に私は意識を失った。
気が付くとそこは山の中腹だった、あの駅も列車の影も形も残っていない。不思議な経験だったけれどとても大切な時間だったと思う。
上からだいぶ落とされたなぁ、なにかぼんやりとしているけど……
これからまた頑張るね。お父さん、お母さん、
お兄ちゃん……
「そう思うと彼女は一人広大な山へ戻っていく。強い意志を持って自分の道を切り開いていけるだろう」
「なんだそのつまらんナレーションは」
男は車掌に対して悪態をつき始めた。
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