第一話 先を知る人

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泣きじゃくる私を見かねたのか両親がゆっくりと口を開いた。 「あなたはまだ来ちゃダメ」 「そうだなまだまだ早いな。それにこの場所に長居もよくない」 「でもみんながいないのにどうしたらいいか。」 「ちゃんと見てるからしっかり頑張りな。最後にお兄ちゃんとしっかり話してきな」 話す?私から話せることなんて、ただ私にあるのは兄を殺してしまったという事実だけだよ。 「なぁ顔を上げてくれよ。せっかく会えたのにこれじゃちゃんと話せないだろ?」 兄は困った顔して、でも優しく話してくれた。 「俺は正直さぁもっと生きたかったし、いろんなことをしたかった。だけど俺の命より大切な妹を守れたんだ。だから泣くな、命かけて守った大切な妹の顔を見せてくれよ。」 泣きながら私は顔を上げる。 「おいおい泣くなよ。せっかく会えたのに。だ、台無しにする、、気かよ」 「はは、何が泣くなよ。全力で泣いてんじゃん。」
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