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「心配もするだろう?久しぶりに会った親友が離婚した後に仲良くしている相手がどう見ても…」
男同士
上司と部下
年齢差
上げるとキリがない問題だらけ、と。
そりゃあ俺だって分かっている
世間体を考えたらスンナリといかない関係だって事は。
「もし周りにバレたら格好の餌食だろうな。だったら引き返せる段階なら傷も浅いだろうし。
それ以上になったらきっと荒木は……立ち直れなくなる…」
離婚した直後の電話では酔っていたのもあったらしいが、荒木課長は泣いて泣いて号泣していたとか。
そんな辛い経験をさせたくはないばかりに
わざと話しの邪魔に入ったり
3人で飲みに行ったあの時も煽ってみたり
俺が出張中、荒木課長の真意を探ってみたりとしたらしいが…
「でもキスする事ないじゃ無いですか」
「度は過ぎるほど良いんだよ。敵を欺くならまず味方からとも言うしね」
胡散臭い笑顔で言われても、そうでしたかとはならない
敵と認識しているであろう俺に対してのこの仕打ち
精神的揺さぶりが酷すぎだろう
俺の目つきがキツくなったのが分かっても、くくくと笑っている所が性格の悪さを浮き彫りにしている
「まぁ、最初から分かっていたんだけどね。
ここに赴任した時、あいつ案外元気そうだし、君と話す表情が、気を許した相手にしか見せない顔だったから。
荒木にとって君は特別なんだろうって」
「そこまで分かっていて、あの態度って…良い性格してますねッ」
「ありがとう。一生懸命に荒木の周りをウロチョロする君があまりも滑稽で、掻き回したら私の予想通りに動いてくれて、面白かったよ」
皮肉を言っても堪えず、反対に息をするようにデスるのは、もうこの人の血肉から滲み出ているものと認識して諦めた
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