7人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
プトレマイオス朝の王たちの書物に対する執着は異常だった。
ナイルの恵みである穀物や金銀ガラス細工、レンガや工芸品、戦争で捕虜にした奴隷などの取引で得た利益を惜しみなくつぎ込み、ギリシア語で書かれたパピルスの書物を買い漁っていた。
多額の保証金を渡してギリシア三大悲劇作家を「写本したら返す」と言ってアテナイの公文書館から借りておきながら王立図書館に納めてしまい、代わりに写本を返したのだった。金で解決できることならプトレマイオス朝廷にできないことはない。
アレクサンドリアに訪れる者は書物を携帯していないか入管所で調べられた。そしてアレクサンドリアに訪れるものは一冊の書物をプトレマイオス朝廷に寄贈しなければいけない、という法律まであった。
最初のコメントを投稿しよう!