キミノネ

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 「もう、来なくていいよ」  「え?」  わたしは自分の心臓が止まったのかと思った。  コンクールで結果がダメだった時でもこんなに軋んだ感覚はなかった。  「なんで?……」  康平くんの表情は  わたしを真っ直ぐに見つめ、目が暗く、何かを堪えているように見えた。  「おれは、本当に死ぬかもしれないから」  「……何、弱気なこと言っているの?」  その時だった。  わたしは、あの時のことを思い出した。
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