ブレイク・アップ

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 その日の夜。私は持っているカバンというカバンを全てひっくり返して、もう必要ないと思っていた見た目のチャラい男の名刺を探し出した。  そこに書かれた携帯番号に電話をかけると、男がククっと笑う。 「おねーさん、連絡どうも。実はうち、リピーターの方がすっごく多いんだ」  軽い口調で話す男と待ち合わせて、箒を手に入れたのはその翌日。  さらにその一週間後、私に嫌がらせをしていた先輩は、突然の辞令で他支店へと飛ばされた。  やっぱり、効果は絶大だ。  二度も人間関係を簡単に一掃できたことで、私の胸は昂った。
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