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「そ、そんなの無責任じゃ……」
「ですね、そう思います、我ながら。でもそれまででもいいから、一緒にいてほしいんです」
「そんなの……」
「若村さん、好きです」
ふわっと制汗剤みたいな、爽やかな香りが濃くなって、唇に熱いものが触れる。
柔らかくはまれて、背中に冬真くんの腕の力強さを感じた。
本当に無責任で、先の見えない告白。
結婚を意識せねばならない年の女に、なかなか酷な提案だ。
フリーの状態じゃなきゃ、結婚相手なんて探しようがないし、新しい男だって作れない。
ずるい。そんな、未来のない関係でいいだなんて、ずるい。
だけど。
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