星乃まい

4/4

33人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 狭い調整室にひしめき合う男たちが見守る中、新川はスッと腕を前に突き出し、人差し指でカメラを差した。 「ビヨンドジャスティス!」  台本にないその台詞。その響きに、服部は胸が熱くなった。   室内に響く興奮した男たちの声が、ほとんど聞こえない。担当者として事故の責任を問われ馘になるかもしれないが、それさえどうでもいいと思えた。  頭の芯まで痺れるような、痛快な気分だ。  服部が震える指で「終了」をクリックすると、画面の暗転と共にオンライン授賞式の幕が下りた。 (やりましたね、星乃さん……)
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加