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狭い調整室にひしめき合う男たちが見守る中、新川はスッと腕を前に突き出し、人差し指でカメラを差した。
「ビヨンドジャスティス!」
台本にないその台詞。その響きに、服部は胸が熱くなった。
室内に響く興奮した男たちの声が、ほとんど聞こえない。担当者として事故の責任を問われ馘になるかもしれないが、それさえどうでもいいと思えた。
頭の芯まで痺れるような、痛快な気分だ。
服部が震える指で「終了」をクリックすると、画面の暗転と共にオンライン授賞式の幕が下りた。
(やりましたね、星乃さん……)
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