【 サクラノチリユク 】

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【 サクラノチリユク 】

 4月2日、ママが天国へ逝った日  娘『(さくら)』が無邪気に言った  ママが天国へ行った日だからお祝いしようと  妻のスマホに残っていた想い  変わってあげられたら、どんなに良かったんだろう  3月26日、娘『桜』の誕生日  一緒にお祝いしたかったはずなのに  3月31日、残された妻の日記 「サクラノチリユク……」  残っていた全ての力を振り絞って、残した言葉……  変換できずに、伝えたかったことは何だったのか  君の残してくれた宝物……  『桜』を私は守ってあげられなかった  そして、『桜』から孫娘『桜花(おうか)』へ繋いだ命  私の希望そのものだった……  ――やがて、今年もやってくる  桜の花が満開に咲き誇っている中で  また、君に会えるような気がする  ヒラヒラと落ちてくる桜の花びらに想う  『優花(ゆうか)』……  ありがとう……  私たちの孫娘は、もう4歳になったよ……  ~小説『サクラノチリユク』より~ END
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