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◇ ◇ ◇
待ち合わせは十九時。
閉店して明かりの消えた店の前で、はあっと息を吹きかけて両手をあたためる。
本当は店の中で待っていてと言われていたけど、少しでも早く顔が見たくて外に出てきてしまった。
「あ。川……檜垣、さん」
白い息を吐き高級感あふれるロングコートのポケットに手を突っ込んで向かってくる彼に気付いて、ひらりと手を振る。
今までのブルゾンやラフなパンツもそれなりにカムフラージュだったらしい。
車とお付きの川口さんは駐車場にでも置いてきたのだろうか。
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