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「実は待ってる、二人。クリスマスだし」 「!? そ……そんな、いきなり……わ、私こんな格好だし」  せっかくのデートだしと、いつものデニムはやめて正解だったが……。  ただのチュニックワンピースにブーツという、庶民丸出しの自分の出で立ちを見下ろす。  待ってくださってるからとはいえ、突然こんな格好でホントにノコノコ押しかけるわけには―― 「別に変じゃないよ? 気になるなら着物でも買っていく?」 「そういう意味じゃな……え? ちょ、ま……待って」  いいからいいから、と恋人繋ぎした手をひいてご機嫌で駐車場に向かいだす御曹司。  じ……地味がいい、やっぱり。  地味に、堅実に、一歩一歩進ませてー! ……という心の叫びが彼に届くことは――――おそらく、ない。 ――おわり――
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