0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
永遠の呪い
「俺はさ、感謝してるんだぜ ?
ここまで、俺の下ら無い話に付き合ってくれて……」
妙に素直ではにかみ乍ら、話す彼は何時もと違い年相応に幼く見えた。何故だろう。
其の表情を見た途端、私の全身を理由の無い悲しみが襲い涙が溢れそうになる。
彼は其様私の様子にまるで気付いて居ないのか、其の儘話を続けた。
「只……俺に来世は無い。俺はもう、此の世に居れなくなってしまう。
今回で最後なんだ…………でも、お前たちは違う。
もう一度、此の世に縛られる。
……御免な。本当は連れて行きたいけど、規約違反になってしまうから…………」
普段人前で泣か無い彼が、申し訳なさそうに笑った瞬間……閉じた両目の端から涙が溢れ出し、頬を伝い落ちる。
彼の涙は凄く綺麗で、迚儚く見えた。きっと、私は死んでも今日の事を忘れ無いだろう。
でも、来世に彼は居ない。
……これは、きっと解ける事の無い呪いだ。美しくて残酷な、永遠の呪い。
最初のコメントを投稿しよう!