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「私、今度産まれるなら男が良いな……なんて」
「何で ? 」
「だって、君以外の人と恋仲になりたくないし……」
「 ? 女だって、独身は貫けるだろう ? 」
「そうだけど……女は襲われる危険があるからさ…………」
「成程……」
夢の私は、綺麗な顔立ちの男性と二人きりで其様奇妙な会話をしていた。だけど、夢の私は迚幸せそうで羨ましかったな……なんて。
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「……って、言う内容の夢を最近良く見るのよね」
「へ〜……」
「前世が女なのは嬉しかったけど……どうせなら今も女が良かったわ」
2000年代に流行った曲が流れるレトロな雰囲気の喫茶店。奥の席に座って話す二人の男性。
一人は小柄で、頭に猫の様な耳が生えている。もう一人は、白髪の赤眼で所謂アルビノだろう。
202✕年、地球を大規模な災害が襲い人々の大半が死んでしまった。然し、生き残った人々も飢饉や大寒波により其の多くが命を落としたのだ。
而して、最期に残ったほんの僅かな人々も変わってしまった地球の環境に適応すべく其の姿を変えた。其の為、アルビノも昔ほど珍しくは無い。
「其れは、俺からはどんまいとしか言えんわ」
アルビノの男は、そう言って困った様に苦笑いをする猫耳の男を軽く睨んだ。
「何よ……あんたわ、良いわよね ! 男でも小柄だから可愛い服が着れて !
あたしなんて、此の前また身長伸びてたんだから ! 」
そう言って立ち上がったアルビノの男は、遠目に見ても170以上あるのは明白だった。だが、履いている靴が真っ赤なピンヒールである為更に大きく見える。
「なっ ! 俺だって好きで小さい訳じゃないやい !
だいたい、ピンヒールなんか履くから余計でかく見えるんだろう ! 」
「ピンヒールは良いのよ ! 可愛いから ! 」
ぎゃぎゃ騒ぐ二人に店内中の視線が集まるが、本人達はまるで気付いて居ない。
「てか、其様に言うならさ ! 理一も手術とか受ければ良いじゃんか ! 」
「其の名前で呼ぶなっつたろうが ! 猫助 ! 」
一際野太い声でそう言うと、理一と呼ばれたアルビノの男は猫耳の男を思い切り殴った。
「いったぁ ! 」
「ったく……あたしの事は【イヴ】って呼べつってんでしょうが…………
いい加減覚えなさいよね。……もう」
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