願いの足跡

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(どうかこの思いが届きますように。) 想いを込めて積もったばかりの初雪に足跡をつけていく。 一つ二つ三つ、願うごとに増えてゆくそれ。 踏みしめ穢すことで少しの罪悪感は抱きつつ、しかしながらやめられずと言った気持ちで私はそれを続ける。 どうかどうかお願いです。 縋るように願う。 どこかで叶うはずはない、我ながら馬鹿らしいことだと思いながら。 それでも馬鹿らしくも私にはそれしかないのだ。 どうかどうか。 どうかこの思いがあなたに届きますように。
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