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Side執事長
私はユーヒティナ公爵家に仕える執事でございます。
旦那様と奥様は、共に愛し合いながらご結婚されました。
ただ、中にはやっかみを言ってくる輩もいます。
ですがお二人は特に汚点も無く、逆に褒めるところばかりなお二人です。
ただ、子供ができない以外は‥……
お二人は学園卒業後すぐにご結婚し、今まで生活をしてまいりました。
そして、お二人はたいへん美しい見目をされているため皆様が二人の間にできる子供を楽しみにしていました。
ですが、なかなか二人間には、子供はできずにいました。
それを、二人をよく思わない者たちがここぞとばかりに物申しておりました。
まぁ、お二人は特に気にした様子はなく平然と丁寧な口調で遠回しに罵っておられましたが………
そこは置いといて、そんなお二人はとうとう子供ができました。
ただ、奥様は身籠ってからだんだんと体調を崩してゆきました。
医者からは、身籠った子供の能力値が大変高くその影響で母体に負荷がかっかているそうです。
さらに、このままだと出産に耐えられず奥様は出産後亡くなってしまう可能性もあると、お医者様は言われました。
旦那様は酷く驚いた様子でなにか言おうと奥様を見られましたが、その前に奥様が
「さすが私達の子供です。それだけの能力を持って生まれてくるなんて。ですから、私達が支えてあげないといけませんね?」
その言葉を聞き旦那様は、一度目を閉じ少ししてから微笑みながら頷きました。
そうしてとうとうやってきた出産日。
奥様は無事に出産されました。
そうして生まれた赤ちゃんは屋敷中もしくは、領民にも届いたかもしれないほどの大きな声で、産声をあげました。
ですが、奥様の様子はどんどんと衰弱していくのが誰が見てもわかりました。
お医者様は、慌てている旦那様を落ち着かせ、子供を抱きたいと言う奥様の声を聞き奥様に御子を渡しました。
奥様は弱々しい声で言いました。
「あぁ、かわいい私と旦那様の子。とっても愛してますよ。ねぇ?旦那様。この子の名前はアルフィアにしましょう。」
「そうだな。この子の名前はアルフィアだ。愛しのヴァイオレット、君を死なせたくはないんだ。生きておくれよ………」
誰もがもう奥様は助からないとそう思っていました。
ですが、旦那様がこうおっしゃたとき奥様が淡く光に包まれました。
旦那様や私達使用人は最初は慌てましたがその光が優しく温かい光だったためすぐに落ち着きました。
光がやみ奥様を見てみると先程のようないつ亡くなってしまうか、わからないなんてことはなく、とても元気で妊娠前の奥様に戻られたかと思うような様子になっていました。
誰もが何が起きたかわかってない中でアルフィアと名付けられた新しくできた私達の主は産声をあげたときの泣き声が嘘のようにきゃっきゃと大変可愛らしくわらっておられました。
その様子を見た奥様は、
「ふふ優しい我が子。助けられてしまったのね?なら私はあなたが危険なとき助けて差し上げます。今は、おやすみ愛しき子。」
そうして小さな主は眠りにつきました。
小さな主の浮かべた寝顔とそれを見つめる元気になった奥様を見て私達は今日この瞬間に立ち会えたことを心から感謝しました。
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