alcoholic series No.2 ~ワイン~

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イワシのオイル漬けではせっかくのブドウの香りが オリーブに混じってしまう かといって日頃齧っているアーモンドでは どうにも素っ気ない 確かソーセージが棚の奥にあったはずだと思ったが それは既にネズミの胃袋の中にある事を 爺さんは気付いていなかった 「うーん、困ったなぁ」 そう言って鼻の頭をポリポリと掻いた時 ひとつのアイデアが浮かんだ それはまるで名案のように思え、 やがて他にはないほどの素晴らしい思いつきだ と思った そうして爺さんはまな板の上に人差し指を置くと 第一関節に合わせてナイフを振るった とん、っと軽快な音を立てて ナイフとまな板がぶつかる音がして 爺さんの指先は血の一つも流さずに まるで人形の指のように転がった
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