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爺さんは
それを外側から一枚一枚剥がして、皿に丁寧に並べていった
指はめくるごとに色が瑞々しく、爽やかになっていた
順に並べてみると、色彩のテストのような
グラデーションがそこに出来上がっていった
そこに酸っぱいものや苦いもの
そして甘いものや嬉しいものがあると気が付いた
爺さんはワインをグラスに注ぐと
浅く香りを確かめ、くるりとグラスを二、三度揺すり
もう一度深く、その香りを吸い込んだ
髭に香りが染み込むほどに口を近づけて
ゆっくりとその年月を確かめるように
自分と同じ年のそのワインを嗅ぎしめてから
一口、くっとワインを口に流した
飴を舐めるようにゆっくりとワインを口の中で動かすと
鼻から息を吸い、吐いて
飲み込んだ
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