alcoholic series No.2 ~ワイン~

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何か口が寂しかったけれど もう何も残ってはいなかった そこでワインのグラスを持っていた左の手を見ると 唐突にその指を舐めてみたくなった爺さんは あたりをきょろきょろと見回して 誰もいない事を確かめて まるで赤ん坊のように指をしゃぶった すると、最後の一枚と同じ味がすると思ったその指は それよりもさらに遠く深い味がした それより先はないくらいに 遠く深い味がした それを味わいながら 最後のワインを飲み干すと 爺さんは満足そうに眠った
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