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年の瀬のお城では、、
煌めく金や銀のイルミネーション、クリスタルとアメジストのシャンデリア・ツリー、あああ、ため息が出るほどの贅を尽くしたクリスマスが終わろうとして居りました。
「キング・ロバーノ、貴方が幾らお耳のお掃除が嫌いだとは云え、この年末には、この私が必ずやお耳のお掃除させて頂きます」
クイーン・クリーンが云いました。
「耳くそと云うものは、日々の積み重ねの結果なのじゃ。日々の積み重ねこそ我が宝。この貴重な宝物をやすやすとキミに譲れるものかね」
「何を宣っていらっしゃるの? 貴方の宝物だと云う耳くそは、単なる汚れですわ。垢ですわ。垢を後生大事に取っておいても、所詮、垢は垢。垢になぞ、栄養は御座いません」
「なにを。垢を馬鹿にしたな。キミは全く分かっとらんようだね。世の真実と云うものは、垢にこそ在るのじゃ。垢を粗末にしてはバチが当たるぞよ」
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