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悪役令嬢化しそうなノエルちゃんを時にたしなめ、時に守り。忙しかったなぁ。
いじめられっ子なノエルちゃんが嫌がらせされたときは、俺を盾にやりすごし。
ノエルちゃんがいじめっ子に復讐する時は、いじめっ子の手帳を写し取って弱みをにぎったり、明日いじめられないか未来の日記を読んで対策を立てたりした。
ちょっとグレかけた事もあったけど、俺の補佐もあって、そんなノエルちゃんは、立派なレディに成長して
「よくも彼女をいじめてくれたな! お前は追放だ」
成長して?
あれ、原作と同じように断罪されとるやん。
主人公の女の子をかばってる攻略対象にめっちゃにらまれとるやん!
ちょ、ナニコレ。
世界の歴史を元に戻そうとかいう修正能力でも働いてんの!?
やってもない罪を、どんどん着せられてるんですけどっ!
「ええっ、ちょっとどういう事よ日記!」
ノエルちゃん、慌てないで、俺もテンパってるから。
日記ぶんぶんふり回してもだめだってば、あー。目がまわるぅっ!
はっ、見えた!
ふりまわされた視界の中で、にやりと笑う貴族令嬢が一人!
お前かっ!
そういや、最近ノエルちゃんに嫌がらせしてたな。
こうなったら、あいつの日記を模写して、俺達が断罪してやる。
そんな俺達の前に人がずらり。
ノエルちゃんを捕まえようとしてくる警備兵たちだ!
だが、こっちにはレベル99の日記がついてるんだぜ!
走れノエルちゃん!
ノエルちゃんが断罪されたら、誰が俺の(日記の)世話をしてくれんだよっ。
悪役令嬢の遺品として棺桶で燃やされるのも嫌だし、蔵の中で丁重に保管(放置)されるのも嫌だ!
さあ、ノエルちゃん!
あそこにいる金髪縦ロール&ケバい化粧のご令嬢が黒幕だ!
様々な耐性を付与された俺を、文字通り盾にして走り出すノエルちゃん。
大勢の視線をもろともせず、魔法とか弓とか剣がめちゃくちゃになる戦場をかけまわるノエルちゃん。
「黒幕は貴方よ!」
ガシっ!
さあ、捕まえた。
キリキリ吐いてもらおうか。
その後、濡れ衣が晴れて、色んな人達から謝罪されたけど。
戦場となった断罪会場を駆け回った後、真犯人をどや顔で断罪するノエルちゃんの姿はまさしく、悪役令嬢そのものだった!
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