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「亜利沙の贈り物かな…………」
しかし、最後まで亜利沙は、冥界からの通信を受けていた。
「俺に沢山の子供ですか…………」
「ダース単位で頼む」
もう寂しいのは辛いので、沢山の家族を持ちたいと願った。それは、俺の初めての感情で、今まではずっと一人で生きようと思っていた。
「ライバルが増えてしまいますね。八起ちゃんを取られそうだ」
俺が空に向かって手を振ると、目の前に鳥の死骸が落ちてきた。
「何故??」
もう一度振ってから、建物の中に入ると、バラバラと虫が落ちてきた。それも、大きい虫や蜘蛛もいて、何も無い空から降ってきた事が、かなり不気味な感じがした。
「冥界が近くになっているのかな?」
亜利沙が冥界自体を、引き寄せていたのかもしれない。
「でも、亜利沙が冥界に行って良かった」
念の為に、駿河に確認して貰うと、ちゃんと亜利沙が冥界にいたらしい。
「八起ちゃん、俺に電話を掛けさせないで…………自分で掛けて」
「公衆電話で?」
俺が電話を探していると、空から半透明の鳥がやってきた。
「伝書鳩?」
「それでは、普通の人間には通信できませんよ」
しかし、駿河は黒電話なのに、俺は伝書鳩なのか。すると、次は糸電話か、旗信号などになるかもしれない。
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