第二十ニ章 メリーゴーランドは夢見る 二

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「亜利沙の贈り物かな…………」  しかし、最後まで亜利沙は、冥界からの通信を受けていた。 「俺に沢山の子供ですか…………」 「ダース単位で頼む」  もう寂しいのは辛いので、沢山の家族を持ちたいと願った。それは、俺の初めての感情で、今まではずっと一人で生きようと思っていた。 「ライバルが増えてしまいますね。八起ちゃんを取られそうだ」  俺が空に向かって手を振ると、目の前に鳥の死骸が落ちてきた。 「何故??」  もう一度振ってから、建物の中に入ると、バラバラと虫が落ちてきた。それも、大きい虫や蜘蛛もいて、何も無い空から降ってきた事が、かなり不気味な感じがした。 「冥界が近くになっているのかな?」  亜利沙が冥界自体を、引き寄せていたのかもしれない。 「でも、亜利沙が冥界に行って良かった」  念の為に、駿河に確認して貰うと、ちゃんと亜利沙が冥界にいたらしい。 「八起ちゃん、俺に電話を掛けさせないで…………自分で掛けて」 「公衆電話で?」  俺が電話を探していると、空から半透明の鳥がやってきた。 「伝書鳩?」 「それでは、普通の人間には通信できませんよ」  しかし、駿河は黒電話なのに、俺は伝書鳩なのか。すると、次は糸電話か、旗信号などになるかもしれない。
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