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「現場に行ってみるかな……」
まず、現場の公園に行って、どのような状況なのか確認してみたい。
「それもいいけど、夜は止せ。八起まで行方不明になると、黒船の存続ができなくなりそうだ」
俺がいなくても、黒船は継続されるだろう。
「俺がいなかったら、他のバイトを雇えばいい。俺は、ただの学生だよ」
御調に拾われていなかったら、学生にすらなれなかった。
だが、駿河は首を振っていた。
「いいか。御調さんも人を探していた。恋人だった、黒瀬さんと船木さんだ。その二人が行方不明になる前に言った言葉が、やっと見つけた……あの子が最後の一人だ。その最後の一人というのが八起だと、御調さんは言った」
その件は、御調も俺に説明していた。
御調の恋人だった黒瀬と船木は、続発する難病の子供を救うため、発生源と対処法を探していた。その鍵となるのが俺なのだと、御調は説明してくれたように思う。だが、具体的な意味は、全く分からない。
黒船は船木がやっていた居酒屋兼ライブハウスの店を引き継ぎ、名前は黒瀬と船木から取ったという。御調は二人に、探していた人は確保したと知らせる為に、KUROHUNEという建物を建てた。この建物自体に、何かの暗号が秘められているらしい。
そして、御調も連絡が取れなくなった。
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