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「俺に何があるというのかな?」
「知るか!でも、八起を見つけた人が消えていっている」
俺を見つけても、安藤夫妻は消えなかった。俺に付随する、何らかの情報を知ろうとすると消えると、御調は言っていた。だが、それが何なのか、御調にも分かっていなかった。
「俺はさ、八起が何だろうと構わない。でも、弟の建治が消えたのは、どう考えてもおかしい!しかも死んでいる。誰かが殺したのか、それとも事故だったのか、俺は知る権利がある!」
駿河は双子の片割れとして、どうしても建治に何が起きたのか知りたいという。
「建治は甲子園の夢に向かって、着実に進んでいた。毎日毎日、練習して、レギュラーになって試合に出た。それなのに、自分から失踪するはずがない!」
夢に向かって進んでいて、しかもレギュラーになり、試合に勝ったのだ。その日も、喜んで家に帰って来ると信じて、家族は待っていた。だが、建治は帰って来なかった。
「……それは、状況を聞く限り、俺もそう思うよ」
だが、建治の足取りが全く分からないのだ。
「……まあ、探し続けるさ。でも、その前に亜利沙だな……」
駿河は建治を探す為、黒船が無くなってしまうのは困るという。
「そうだな」
人探しをしている時は、レストラン&バーの黒船で働かなくても時給を貰えるが、今日は店で働いておこう。
俺が制服に着替えていると、駿河も厨房へと入っていった。しかし、駿河の仕事はバーテンダーで、厨房には関係ない。
「駿河?」
俺が厨房を覗くと、駿河は皿を持っていた。
「まずは、腹ごしらえ」
「ああ、そういう事」
俺も寿村にまかない料理を貰うと、並んで食べ始めた。
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