第二十ニ章 メリーゴーランドは夢見る 二

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「直哉、スケジュールの続き?それとも、弁当にする?」 「弁当でいいです」  レストランは、どこも長い列が出来ていて、並びたくない。直哉が自販機で飲み物を買ってくると、ベンチに腰を降ろした。 「八起ちゃんと、遠足に行くのも夢でしたね」 「学年が違うからな」  同じ年で、誕生日は一か月ほどしか違わないが、学年は一年違うのだ。 「八起ちゃんと、同じ家に住んで、一緒に眠って、一緒に食事をする……それだけで、俺は幸せ…………」  その夢は、叶えたくない。 「取り敢えず、仕事は完了。雪谷さんに、報告しよう」  亜利沙がいなくなって、少し寂しいが、冥界は遠いが近い。 「バイバイ、亜利沙」  弁当はジェットコースターと、お化け屋敷のせいで、ガタガタになっていた。しかし、手作りの品で、温かい味がしていた。 『冥界の亜利沙』 了
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