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「直哉、スケジュールの続き?それとも、弁当にする?」
「弁当でいいです」
レストランは、どこも長い列が出来ていて、並びたくない。直哉が自販機で飲み物を買ってくると、ベンチに腰を降ろした。
「八起ちゃんと、遠足に行くのも夢でしたね」
「学年が違うからな」
同じ年で、誕生日は一か月ほどしか違わないが、学年は一年違うのだ。
「八起ちゃんと、同じ家に住んで、一緒に眠って、一緒に食事をする……それだけで、俺は幸せ…………」
その夢は、叶えたくない。
「取り敢えず、仕事は完了。雪谷さんに、報告しよう」
亜利沙がいなくなって、少し寂しいが、冥界は遠いが近い。
「バイバイ、亜利沙」
弁当はジェットコースターと、お化け屋敷のせいで、ガタガタになっていた。しかし、手作りの品で、温かい味がしていた。
『冥界の亜利沙』 了
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