50人が本棚に入れています
本棚に追加
第11話 続・騒がしい
それからも、攻略対象者達と絡んだり、絡まなかったりしながら、毎日賑やかな日々を過ごした。
冬には雪合戦イベントで、主人公組になった敵陣営のウルドとトールを思う存分攻め立てた。雪玉の中に灯油缶の破片が混じってるって? 見間違いね。
「見破られたからといって、なぜあなたは直接灯油缶を投げてくる!?」
「卑怯ですよ! ルール違反です! というか危ないじゃありませんか!!」
見間違いね。
その後も、なんやかんやと色々なイベントが起きた。
さすがゲームの登場人物。
一癖も二癖もあるため、イベントが何事もなく終わる気配がまったく無い。
思わぬ過去が判明したり、トラウマが露見したり、スキャンダルが捏造されたり、大切な形見をなくしたり。
イベント事例がとても豊富だった。
真面目なお坊ちゃんお嬢ちゃんかと思えば、肝試しで校舎に乗り込むなんて事もしているし。
「いや、それはたぶん姉さんがやるって言ったから。ううん、なんでもない」
頭でっかちな集団ではない所は良いところだが、毎回爪が甘いところがあった。
警備員に見つかるから、あれほど灯りはつけるなと言ったのに。
おかげで、私だけ大目玉をくらってしまった。
「問題児のウルドとトールの面倒を見てたら、ついストレスで。落ち着いた場所で一人になりたかったんです」
「そっ、そうか大変だな。何かあったら先生たちに相談しなさい」
けれど、ただでは転ばない。
説教後に喜んで攻略対象を売っておいた。
翌日、教師から怒られたらしい。ざまぁ。
そんな中、ボスイベントが発生した。
ラスボスと戦う前の、ボス。
気合を入れて臨まなければならない。
確か乙女ゲームのシナリオでは、学校の先生がボスだったのか。
自分の悪事がばれそうになったため、真実を知ったアリシャ達を亡きものにしようとしてくるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!