50人が本棚に入れています
本棚に追加
第6話 家庭教師イベント
家族の死を防いだ事で、弟のレイモンドが他の家に引き取られる話はなくなった。
これで、一気にラスボスになるフラグを二つもへし折った事になる。
だから、油断していた。
学院に入る前に、家庭教師をつけるという話になって、弟の前に例の意地悪な家庭教師がやってきた。
歴史の修正力だろうか?
せっかくうまくいっているのに、ここでラスボス化のフラグを立てるわけにはいかない。
家庭教師問題をどうにかするべく、私は弟の勉強を見張る事にした。
扉の隙間からじーっ。
「勉強に集中できません、姉さま。あとで遊んであげますから大人しくしててください」
そしたら、かまってちゃん認定されてしまった。
解せぬ。
予想に反して、家庭教師は何もしなかった。
定められていた雇用期間を過ぎたら、「ちっ、退屈しのぎになると思ったのに」とかつぶやきながら、他の教師に引き継いでとっととどっかに言ってしまったのだ。
ここは、原作通りではなかったらしい。
無駄な努力をしてしまった。
歴史の修正力ずさん。
後で分かった事だが、その家庭教師はいたいけな子供をいたぶる趣味があったようだ。
父と母が話していた。
「お前、聞いたか例の家庭教師の話」
「大変な事が起きたそうね。うちのレイモンドが被害にあわなくてよかったわ」
家庭教師が起こした不祥事の内容が、地元の新聞に載っていたり、噂になっていたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!