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第9話 クギをさしておこう
学校に入学してから、一年たった。
そして向かえる入学式。
するとどうなるのか。
始まるの春になった。
弟が、レイモンドが入学してきたのだ。
そして、他の攻略対象者アリオや主人公のアリシャもだ。
アリオは動物になれる力を持っている人族の転生者。
人懐っこいけど、ちょっとおバカ。
でもそんなところが可愛いとかいう枠。
つまり、この春は原作開始の時期だった。
主人公アリシャはどんどん、出会いのイベントを消化していっているようだ。
「ウルドさん、教室の場所が分からないので案内してくださいますか」
とか。
「トールさん。分からない所があるので教えてほしいんですけど」
など。
ウルドやトール、アリオと触れ合って仲良くやっているらしい。
左右を挟んでくるうっとおしいイケメンがいなくなる時間が増えて、話しかけてくる時間も減ったのでほっとしたところだ。
別に寂しくなんてない。
ちょっと風よけがいなくなったから、冬寒くなりそうだなとか思うくらいだ。
主人公アリシャは、弟とも出会ったらしい。
放課後一緒にお昼食べてる時なんかに。
「面白い女性にあったんですよ。聞いてください姉さん」
と、言っていたのでたぶんその人だろう。
私は「可愛いからっていって、興奮したり嫉妬したらだめよ。仲良くなる時はまず手をつなぐところから、それ以上はもうちょっと秋くらいになってからがいいわね」と注意した。
逆に、秋イベントが一気に好感度上昇になるので、そこからが押し時だが。
すると弟は真っ赤になって「何考えてるの姉さん!」と怒った。
「ぼ、ぼくは姉さんの方と一緒にいる方が(ぼそぼそ)たのしいし。そんな事するわけないし」
やれやれまだまだ姉離れができないらしい。
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