そのハムスターとわたし

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そのハムスターとわたし

 わたしは一人っ子です。そのために母は、わたしのきょうだい代わりとして、動物と暮らすことを考えました。  母は実家で猫と暮らしていたので、本当は猫と暮らしたかったようですが、当時住んでいたアパートがペット禁止だったために断念。ならばと目を付けられたのがハムスターです。何故って? ハムスターは、静かだからです。滅多に鳴かないし。  黙ってればバレないさ。我が家はそんな感覚でいましたし、実際、上手い具合にバレませんでした。ハムスターは寿命が短いので、一~二年ほどで亡くなってしまうのですが、その都度新しい子がやってきていましたね。いないと寂しいのです。キャベツもリンゴもあげられないなんて。  数年して、ペットOKのマンションに引っ越しましたが、それでもしばらくはハムスターが一緒でした。だって可愛かったし。  そんな我が家に、ついに猫と暮らせるチャンスが訪れます。令和二年、九月十三日。伯父夫婦が拾った猫が、突然家にやってきたのです。  しかしそのとき、我が家には。  ……老齢のパールホワイトハムスターが一匹、のほほんと鎮座していました。
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