彼の落とし物

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ロック画面が解除されている理由もトモコにはわからなかった。 何かの間違いであって欲しいと願いながら、トモコは恐る恐る写真保存アプリを開いた。 しかし、その淡い期待は打ち砕かれる。 アプリ内には「トモコ」と書かれたフォルダがあり、そこにはトモコの写真が大量に保存されていた。 携帯電話のプロフィール欄には、「瀬能 正文」と書かれていた。 知らぬ名前だった。 「これはストーカーかその類に違いない。犯人が偶然これを落としたのかもしれない。次の駅で電車を降りて、駅員に相談しよう。」 そう考えた正にその時、突然、携帯電話が着信した。 トモコは口から心臓が飛び出そうになった。
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