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ーーーー東華大学正門。
流石に有名大学の学園祭は規模も大きく一般人の参加もかなり多い。わちゃわちゃと人混みの中で薫の
車で送ってもらい陽葵は到着する。歩いて正門までくる2人は周囲からかなりの視線をあびていた。
陽葵は深緑のセーターに花柄の白スカート、ヒールという格好で気合をいれていたがヒールを履いてきたことに少し後悔していた。薫にもそれでいくのかなんて心配されたけど楓くんのステージを見るのに気合入れなきゃという謎のテンションで履いてきた。
「おい、 脚辛かったら言えよ?俺がおぶるから。」
「絶対嫌です!」
そんなやりとりをしているところで若菜が到着する。
「こ、こんにちは。」
横にいる人が陽葵の横にいて、何故ここにいるのか疑問に思った。
「ちょっとまって、なんで朝倉先生いるの??
2人のオーラやばいんだけど、まじで近寄り難くて・・・」
「なんでよ!!
それがね、友達いなくって弟のステージを私たちと見たいんだって。」
「えっ?!・・・まぁ私はいいけど。また、変な噂流されるよ?」
「あ、私は気にしてないからいいけどね。」
「あぁ。俺もむしろ噂が膨らめばいいと思ってる。」
「あ、先生って、もしかして?陽葵のこと?」
若菜はそっと薫に耳打ちすると
もちろん。と返される。
ちょっと、あんたって人は
イケメン兄弟で取り合いっていうか
楓くんと付き合ってるんだから
お兄さんが一方的ってことか
イケメンでもそれは楽じゃない道だね。辛い。
私は応援します・・・はい。
不思議な組み合わせの3人で屋台のたこ焼きを食べたり、ダンスの発表を見たりと楽しんだ。
周りのカップルをみて陽葵もここに楓がいればもっと楽しいんだろうなって少し寂しく思った。
「もうそろそろ行こうか。」
陽葵の表情をよみとったのか薫が一言いうと
陽葵の腕を掴んで会場に向かう。
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