大事な選択

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 その後の発表も個性的であっという間に終わり、夕方に閉会した。薄暗くなってきた頃、観客がそれぞれ立ち上がり去っていく。陽葵たちはできれば楓たちに会えないかと思い探していた。 ーーーーーー  楓は緊張していたはずなのにステージに上がると  自分ではないのではないかと思うくらい心から 楽しんで終えることができた。 僕ってこうやって ステージにあがるの好きだったんだ 誰かにどう思われるかじゃなくて 目の前の歌に、集中できる。 歌った瞬間に自然と笑えてくるように楽しい。 両手がいまでも震えてるけど 怖いっていうより ワクワクが止まらないって感じ 「な、楓お疲れさん!ちょー楽くて興奮やまないよな!」 「うん!!全然手の振るえが止まらないんだよ」 「楓も興奮してるんだな。あぁ楓のそばで演奏するのも心地良くて好きだわ・・・」 「・・・僕も安心して歌える。でもどっと疲れがでてきたかも・・・」 2人で汗を拭きながら話していると後ろから 声がかかる。 「楓くーーーん!すごくよかった!洋介もすごかったわ!」 「噂通りですごかったな。楓くん、はじめまして洋介の父です。」 話しかけてきたのは洋介の両親であった。 2人は楓たちの発表をみて話したいことがあったからと寄ってくれたようだった。 「楓くんが良ければ、少し話したいことがあって時間があるならこの後ご飯でもどうかな?」 バリバリ仕事ができそうな見た目だけど人当たりがよさそうな雰囲気の洋介の父が誘う。 この後、陽葵さんと早く会いたいし・・・ でも洋介の家にはとてもお世話になったから 断るわけにはね・・・ 「長い時間ではなかったら大丈夫です。」 「よかったよ。それじゃ外で待ってるよ。」 両親はそう言い残し外にでていく。 「ね、洋介?話ってなんだと思う?」 「えっと・・・俺は詳しく知らないんだよね。なんとなく予想はできるけど」 「なんか隠してる?・・・洋介も行くんだよね。」 「まぁ親が楓1人は不安だろうからっていわれたからいくつもりだよ。」 いつもと違う歯切れの悪い洋介にすこし疑問が 沸いたが疲れていた楓はあまり気にせず支度を終えた。    あ、陽葵さんに連絡しとこう  ーーーーーこれから洋介のご両親に会ってご飯にいってきます。色々お世話になった人だし、話もあるっていうから行ってくるね。 疲れてると思うから家で待ってて すぐに返信がきた。 ーーーーーーお疲れ様!すごいステージ見せられちゃって感動したよ!!わかったよ。お兄さんと家に戻ってるね。 陽葵の隣で兄さんが一緒にみていたのはわかってた。若菜さんも一緒にいたし、嫉妬することはないんだろうけどやっぱり妬ける 兄さんは僕をいじめて楽しんでるのかな・・・ 連絡をしたことで 安心して食事に向かう楓であった。
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