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トラウマ
楓を探していた陽葵たちだったが洋介たちと食事をしてから帰るとのメッセージを確認すると家に向かうことにした。大学から薫の車に乗り込み若菜を自宅まで送って家に向かった。
「じゃ、お二人さんありがとう!今日は楓くん一番かっこよかったね?陽葵の笑顔をみれてよかった〜。 帰ったらsugarでも聴こうっと!」
若菜は手を振っていなくなると車内には薫と2人きりになった。
「薫さんもやっぱりすごいと思いましたよね。あんなに自信もなかった楓くんがあそこまでできるなんてね。」
「元々楓はよく笑うやつだったんだ。親が生きてる時はああやって歌って俺たちを笑顔にしてくれていた。あいつは俺ばかりモテるモテるって思ってるけど
周りは楓のことが好きで人が寄ってきたんだ。
あの頃が戻ったみたいに・・・
本当の笑顔が戻ってきて安心した。」
そうやって運転しながら話す薫の横顔を
みると嬉しそうに微笑んでいた。
薫さんもだいぶ変わったんじゃない?
2人とも今までよりきっと何かが変わってきてる
そんな2人のそばにいられて私は嬉しく思った。
ただ良い方向に進んでいく楓に取り残されていく
ような複雑な気持ちになっていくのも感じていた。
陽葵は朝倉家につくと必要最低限しか持って来ていなかった下着や洋服もそろそろ飽きてきてもうすこし欲しいと思った。しばらく警察からの特別連絡もなくなっていたから、すこしの間なら大丈夫だろうと思った陽葵は薫に楓が帰ってくるまでに戻ると自分の車で行ってくると伝えた。まだ危険だ、俺が買うから気にするなとも何度も言われ薫に強く止められるが陽葵は家のことも気になっていたこともあり薫に渋々許可をもらい楓が帰ってくるまでに急いで行こうと出発する。
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