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急いで家を出て行ってしばらく経つと陽葵のいない部屋でふと薫は嫌な予感がして寒気を感じた。両親が亡くなった時に電話で感じた感覚と似ていたからだ。
心配のしすぎか・・・
あの時を思い出すなんてどうかしてるさ
ーーーーバタンっ・・・バリン
「んっ・・・」
薫は心配しすぎて変なことを考えないように洗い物をしていた時バタンと母親の写真が飾ってあった写真立てが倒れて棚から落ちた。
「母さん・・・俺行ってくる」
ーーーーーーーーーーー
楓は急いで帰宅しようと駅のホームで電車を待っているが予定時刻を超えても一行に来ず電車が遅延していることに落ち込んでいた。いまだに陽葵への最後のメッセージが既読にならず知らせたいことがあるのにソワソワしてしまった。
ドン
「えっ!ちょっと!・・・あっ」
ーーーーバリバリ
楓の肩が誰かとぶつかり握り締めていた携帯が地面に落ちていった。拾い上げると画面がバリバリと割れて起動しなくなってしまった。
「えっ・・・なんで今。僕の携帯が・・・」
操作が全くできない携帯に肩を落とす楓。
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