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陽葵は家につくと周りを注意深く確認しながらエレベーターに乗り部屋の前につく。正直言って、ずっと前の怖さを忘れたわけではなかった陽葵はずっと緊張していた。2人にこれ以上迷惑をかけたくないと思っていたこともあり遠慮していた。
誰もいないよね・・・はぁ
洋服もって早く戻らなきゃ
楓くんのためにケーキでも買って帰ろうかな
薫さんも心配してるし
カバンに入れたはずの鍵が見つからず探していると 開かないはずの扉が突然目の前で開く。玄関から出てきたのは大きいグレーのパーカーをきて深くフードを被る男であった。唖然とする陽葵はカバンを落としてしまう。
「おかえり、陽葵さん?」
「・・・ここって・・・あなた誰?」
いきなり片腕を強い力で掴まれると家のなかに引きずりこまれる。
「ちょっと、やめてください!!嫌!」
大きい声を出しても家の周りには人が出てくることはなく陽葵の声だけが響く。強く引き込まれる力に勝てずに家に引っ張られてしまう。必死で抵抗して足を挫いてしまい履いていたヒールを一足ドアの前で落としてしまう。
「嫌っ!!やめて!・・・いっ」
ーーーーーバタンっ
ドアが閉まってしまうといくら叫ぼうとも声もきこえなくなってしまった。ドアのまえにはカバンと一足のヒールが落ちていた。
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