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楓は自分の前から消えてしまいそうに弱った陽葵を気付いたら強く抱きしめていた。
僕がいけないんだ。なんで、目の前にいるこんなに弱ってる陽葵さんに声もかけられないなんて弱虫バカだ。僕が守るんでしょ・・・
「・・・楓くん?」
「そうだよ。役立たずの彼氏でごめんなさい・・・
陽葵さんが生きていてよかった。」
ドクン ドクン
楓くん来てくれたんだ・・・
でも、ごめんね。
もう今は楓くんが好きな私じゃないの。
だってこうやって抱きしめてくれて嬉しいはずなのに
胸が苦しくてだんだん動悸が強くなってくる。
苦しくて・・・震えるの
ドクン ドクン ドクン
動悸が辛くなり、身体が震えて呼吸がし辛くなる。
「はぁ・・・・はぁ・・・ふひゅー
く、苦しいの・・・楓くんごめんね」
「陽葵さん!!僕が守るからもう離さないから!」
「違うってわかってるのに・・・こ、怖くて思い出すから・・・いやっ!!」
さらに強く抱きしめられると楓を拒絶し失神する陽葵。楓に触れるだけでフラッシュバックされ発作がでてしまうことが楓にとってもショックだった。失神からなかなか意識が戻らない陽葵は入院することになり病室へ運ばれた。
「楓くん、ちょっと落ち着いてね。今は陽葵も普通じゃないから」
若菜が宥めてくれてはいたが、陽葵の精神的な痛みは強いものというのが分かった。
僕は陽葵さんのことが好き。どんなに拒絶されても 僕を好きでいてくれるならそばに居続けたい。
ただ、今はどうしたらいいのかわからないんだ。
目の前で苦しんでいるのに何もできない、触れられない・・・
ーーーーーー楓は無力感に襲われてしまった。
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