メープルシュガーは好きですか

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メープルシュガーは好きですか

陽葵は観客の拍手の中、楓が立ち去る姿を見つめていた。 私だって今もずっと…… どんな楓くんも大好きだから 忘れられないし忘れたくない! 我に返ると何も考えずな咄嗟に立ち上がり 追いかけていた。 「ちょっと、誰ですか?!」 多分スタッフ達だろうか 陽葵は楽屋とされていた部屋の前にいる人たちを 押しのけて扉を開ける。 ーーーバン ッ 「楓くん!」 突然目の前に現れた陽葵の姿に驚く楓と社長たち。 座っていた楓は立ち上がる。 「楓くん?……この方だね。 私たちは外にいってるから、またお迎えに来るね。」 驚いていた社長たちも楓と陽葵の表情で気づいたのか 2人にさせるためにそっとその場を立ち去る。 「陽葵さん……来てくれたんだね。」 楓は陽葵の両手を握る。 「本物の楓くん?そうだよね?? 楓くんにはやっぱり安心して触れられるの。 わ、私まだ全然実感がなくって。 勢いでここにきちゃったというか… 私ずっと周り見えなくなっちゃって…… みんないなくなっちゃったし」 焦って話す陽葵の話を落ち着いて聞いてくれた。 「あっ……ごめんね。私ばっかり話してて意味わからないよね……」 「うんうん……必死になって来てくれたのすごく嬉しくて。会えなかった分、陽葵さんの顔を僕の目に焼き付けたいなぁって。 まさか会いにきてくれるなんて思ってなかったから。」 「…私やっぱり…楓くんのことがっ」 陽葵は言いかけると楓はそっと陽葵の口に手を当てて言うのを止める。 「ど、どうしたの?」 「僕が言うから…逃げないでね。」 「私が逃げる訳……っ」 「シーっ」 楓は深呼吸をすると そっと肩を掴み陽葵と見つめ合う。 「ふぅ 陽葵さん…… 僕はまた あなたを好きになってもいいですか?」 ドキッ ドキッ やっと言えた。僕が大好きな人に。 「うん……当たり前だよ?」 必死に頷く陽葵の姿に楓は胸が締め付けられた。 ーーーギュ 楓は陽葵に抱きしめる。
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