暗い君

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 バタバタと忙しい時間を過ごしているとあっという間にお昼近くになってしまった。 「先輩!!佐藤先輩!さっきはすみませんでした。俺のミスでしっかり確認しておけば良かったです。」 「それが分かれば次は同じことおきないね。頑張ろうね。」 「はい!!」  今年入ってきた後輩の男子が防げるミスを起こすとこだったところを陽葵が発見して未然に防ぐことができた。 後輩はニコニコしながら去って行く。 私も新人のときは色々不慣れもあったけど 知識はあるはずなのに上手く出来なくて ミスをしてしまったこともあったな。 今思うとなんでそんなことしたの?ってこともしちゃってたな。 しっかり振り返れば同じミスはしないようになるから、今年は数少ない男性看護師が入ってきているから支えていかないと。 そんなことを思っていると先ほど話していた後輩看護師が再び陽葵のもとにも走って戻ってきた。 「先輩お昼ですよ!お昼休憩いきましょう!」 そういって、腕をひっぱる後輩。 いやいやここ職場だよ? ましてや先輩!私だけどさ 本当今の子何するか全然わからない・・・ 「早く!一緒に食べますよ!」 「わかったからね。ここ職場だから周り見てね。私は仲良くしてもらうのは嬉しいけどよく思わない人もいるから気をつけようね。」 するとそっと手を離す後輩。 「あ・・・すみません。俺先輩のこと好きすぎて強引でした・・・。」 ・・・・・好き? あ、好かれているとういうことか? 先輩として?だよね この子馴れ馴れしいとこもあるけど 私にだけなんだよね。というか、あ、なめられているの? 「ほらほら〜!佐藤さん困ってるでしょ?あんまりそういうのご無沙汰だからひっついちゃだめ!」 色々考えてフリーズしていた陽葵を遠くでみていたのか若菜が来て助けた。 「!!!あ、坂井さん! 坂井さんも一緒にいきましょう」 若菜が間に入るもあまり彼のペースは変わらず 同じ休憩時間である若菜も来て一緒に向かう。 なんか、先輩後輩としてはどうかと思うけれど 何故か彼を嫌だと突き放せない自分もいて この感情は・・・ あ、犬!!! ワンチャンだ。 常に尻尾振ってるわんちゃんみたいなかんじ。うん。 弟って居ないけどこんな感じなのかな。 陽葵は一人っ子で近所の年上のお姉さんと仲良く成長したような環境だったため弟と関わることがなく新鮮であった。
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