暗い君

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翌日、若菜からいい感じだったじゃんとかあんなイケメンでしかも公務員なんて出会うことない、逃がしちゃダメ!とか色々言われたなぁ。 約束した日まであっという間で久しぶりのデートでドキドキしてたのも覚えてる。合コンの時、連絡取りたいからと連絡先交換していた。勇輝はマメな性格で毎日何かしら連絡を送ってくれていた。 初デートは日勤だったため 夕方から勇輝のおすすめのオシャレなBARを紹介してもらって2人で飲みに行った。 BARなんてオシャレでハードル高くて経験したことないから緊張したけど、逆に1人でならBARの方がいいかもなんて思ったり。その日の勇輝もBARの雰囲気と合っていて黒のタートルネックにグレーのジャケットのセットアップで来ていた。 あぁ素敵だな…… 私場違いじゃない?一応私なりにワンピースと軽く髪も巻いてきたけど…… かっこいい人といると周りの目が気になって緊張しちゃう。だってここに来てから勇輝のことBARにいる女性たちずっと見てるからね。 「そんなに緊張しないで?俺がいるからさ 美味しいお酒多いから楽しもう」 キョロキョロしている自分に気づいたのか優しく声掛けてくれた。 もう20代後半なのに恥ずかしい…… 「うん……ありがとう。 塩谷さんっていつもそんな服装?」 「うーん、いつもよりちょっとというかすごく お洒落してきたかも。」 「……///」 もうこういうことサラッと言っちゃうんだから。 「というか、佐藤さんっていうのやめにしたい! それと俺の事もさん付けやめて名前で呼んでくれない?てか呼ばれたい。」 「ん?!」 「……嫌?」 嫌って……そんな見られて断れる訳がないのに。 「……恥ずかしいけど、じゃ、勇輝?」 「……ちょー嬉しい。陽葵! ひーちゃん、ひーちゃんがいい!」 「え、もう!なにそれ!じゃ、私もゆーちゃんで」 「めっちゃ嬉しいんだけど、もう1回」 もうこれどうなるのよ。 私もどうなってるのかドキドキして止まらなかった。 名前呼ぶだけでドキドキするなんて、私すごく好きじゃんか。
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