おい、機嫌直せよ

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 だけど、だ。  お互いいがみ合っているとは言え、最低限度のマナーくらいはあるんじゃねえのかっていう話で。  かいつまんでザックリ言ってみれば、こいつは夕べ人の中で遠慮もクソもなくイッた直後、プツリとこと切れたかのように一人でさっさと眠りコケやがった。  あろうことか、挿れたまま。 「…………」 「…………」 「………けい、た……?」  その時の俺の様子はこんな感じ。ポカンだった。  中でこいつの熱を感じ、そのすぐあとには体の上に、恵太が重くのしかかってきた。そしてなぜかそのまま動かなくなった。  さすがにこれはおかしいと思って胸を上下させながら呼んでも、恵太からはうんともすんとも返ってこない。無反応だった。  肩に手を置き、ゆさゆさと揺すった。けれどもやっぱり反応はなく、そこでとんでもない事に気が付いた。  なんかこいつ、寝てねえか。 「…………」  「はぁぁああッ?」っと、心の中では大絶叫。しかし実際には呆然として言葉も出ないような状態で、口をポカンと間抜けに開けたまま途方に暮れることしかできない。  ふざけんなよ。どうすんだよ、コレ。そこ。  ガッチリ嵌まったままなんですけど。イッて早々意識を飛ばしやがったくせして萎える気配はまるでゼロ。  なんなんだマジで死ね。ホント死ね。イカレてるにも程があるだろ。  どうにか起こせやしないかと、何度か雑に揺すってみたり軽く殴ってみたりしたけどどれもこれも無駄だった。  確かにここ最近の恵太は仕事がずいぶん忙しかったようで、帰宅が午前零時を過ぎる日が先週くらいから続いてはいたが。朝になって家を出て行く時間も通常より電車三本分ほど早くなってはいたと思うが。  だからと言って、コレはねえだろ。だいたいそこまで眠かったのならヤらずにさっさとおとなしく寝とけよ。  などと恨み言を吐き散らしても現状は変わらない。恵太は寝ていて、ギンギンのブツはしっかり穴に突っ込まれたままで、さっきまで散々抱かれていた俺は正直もう腰に力が入らない。  これを一言で表すならこう。  最悪だ。
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