Book12「執(しつ)恋」

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「櫻子、左手首は大丈夫?」 心配そうな声音でシンちゃんが訊く。 けれども、その手はわたしのおっぱいを弄ったまんまなので、わたしはくるしげに首を縦に振るしかできない。 「……よかった……じゃあ」 シンちゃんの大きな手のひらが、わたしのおっぱいから離れた。 ……えっ?うそっ!もう、終わり? わたしは呆けた顔で振り向いた。 シンちゃんは四角い袋の封を(くわ)えていた。 魅惑的な切れ長の目を細めて、にやりと笑う。 「櫻子、そのまま前を向いてて……後ろから挿れるから」 ピッ、と歯で袋の封が切られた。 ……昨夜の「あれ」を、今度は後背位(バック)でされるの? 思う間もなく、猫が伸びをするみたいにお尻を高く引き上げられた。
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