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「さて、兄ちゃん大丈夫か?」
河内も黒服もいなくなり、そこには俺と男の二人だけが残った。
「ん…ぅ。はっはっはっ…」
河内がいなくなったからといって飲まされてしまった薬の効果がなくなるわけではなく、どうしようもなく苦しくて切ない。
はっはっと短い息を繰り返す。
「大丈夫じゃねーよな。ほら気持ちよくしてやるから、俺に任せな」
男は俺のズボンのジッパーを降ろすと俺の中心を出し、扱きだした。
その動きは何のいやらしさも感じられない機械的なものだった。
「あっ…あっ…あぅっ」
さっきのような嫌悪感はないが薬によってもたらされる身に余る快楽に涙が零れる。
「大丈夫だ。あんたがこうなってるのは薬のせいだ。何も考えず、気持ちいい事だけ感じとけ」
巧みな手淫で高められ、快楽が身体を突き抜け精を吐き出す。
―――あぁ…っ!こんなのっこんなの知らないっ!
何度目かの射精後、俺は意識を手放す寸前、
『見上げてごらん。何が見える?』
れいのあの夢の中の言葉が聞こえた気がした。
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