青月:青く輝く月

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古賀との生活は存外楽しいものだった。 古賀の住むこの部屋は店の2階にあり、古賀が仕事に行っている間に掃除や洗濯などの家事をして、食事の支度をした。 何せ殆を会社で過ごしていた身としては、料理なんてした事はなかったがやってみると案外楽しかった。 こういうの俺にあってるのかな? 料理を作りながら鼻歌まで出る。 こんな気分になるのは一体いつぶりだろう。 「お、いい匂いだな」 「あ、おかえりなさい。お仕事お疲れ様です。ご飯にしますか?それとも先にお風呂にしますか?」 古賀は目をぱちくりと数度瞬き、ふっと笑った。 「え、何ですか?」 「なんかこういうの新婚さんみたいだなーってさ」 古賀の目は優しく俺を見ている。 あぁ…この人の優しい目が好きだ。 この人の優しい声が好きだ。 この人のくれる全ての物が好きだ。 ―――いや、そうか。 俺はこの人が……この人の事が…好きなんだ。 突然自覚してしまった感情に戸惑うものの、同時にこの感情を持てた事が嬉しいと思った。 「――どうした?」 「あ、いえ。先に食べちゃいましょうか」 「あぁ、そうだな」 ふわふわした気持ちのまま一緒にごはんを食べ始めた。
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