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その4
「俺らサイドはまあ、パートナーにはこれからこの経済大国で存分に儲けてもらって、その”お裾分け”って発想だ。何しろ、こっちがシノギをどれだけ取れるではなく、ガキのマーケットのパイをでかくする視点になる。結果、ガキが潤えば潤うほど、こっちも従来以外のシノギがバンバン入ってくる訳だ」
ノボルはここ最近記憶がないほど、何度も何度も頷いていた…。
「…この理論建てはずっと以前から、諸星が持論としていたが、関東の皆からは在○のさもしいビジネスモデルだとクソ扱いだったわ。正直、俺なんかも最近まではそう思っていた。だが、ここまでこの国の経済が勢いついてくれば、諸星理論は中学生でもごもっともくるわな(苦笑)」
「それで、今は関東の主だった人達も諸星会長の構想を支持しているということなんですよね」
「フフ…、ノボル。それどころか最近じゃあ関西もよう、”これからはガキを儲けさせて、そっちの市場からのシノギにも力を入れないと時代に乗り遅れる”とかって危機感を持ってるくらいさ(笑)」
「…」
...
「まあ、そうなりゃあ、ガキとのニュースキームを唱えた元祖が諸星なんだ。親会社の我々としては、放っておく手はない。ウチの会長は諸星に早期の実働を指示してな。それに東龍会が改良を加えたモデルスキームを誕生させて、特許を取っちまう考えだ。それを関西に売り込む‥」
再び折本の眼が鋭く光った。
「…関西とはライバルではあるが、これからは時代も変わっていくんだし、互いに連携するところは接点を持つことが肝要だとな。ウチの会長はそういった聡明さでは関東でも抜きん出ているからよう。フフ…、諸星にがんばってもらえれば、関西とのパイプもウチが主導権を握れて、東龍会は関東内でも発言力がさらに強まるってな。それはノボル、お前たちのメリットにもつながるんだ。わかるだろう」
「はあ…、よくわかりますよ。折本さん…」
”ふう‥、オレたちのパートナーさんは、関東と関西双方のオピニオンリーダーになる気か…”
ノボルはやや頭が混乱していた…。
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