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果物屋さんの前を通ったら,
ひとパック200円の苺が並んでいる。
粒の揃ったその苺は,
お客さんに買って貰えるのを,
今か今かと待ち続けている。
小粒でもなければ大粒すぎない。
見事なまでの苺を,
そのまま食べるのは勿体ない。
こんな時は苺ジャムを作りたくなる。
昔,大好きな母が作ってくれた苺ジャム。
苺と砂糖とレモン汁で作った,
とてもシンプルなジャムが美味しくて,
同じように作っても,味が全く違ってしまう。
そんな時,母が言っていた言葉があった。
『同じ味にならないかって?それはそうだもの!ジャムを美味しくて仕上げるには魔法の呪文を唱えなくちゃいけないのよ(笑)』
食べさせてあげたい人がいる。
大切な家族を想いながら,
『美味しくな~れ,美味しくな~れと囁くの』
果物屋さんで苺とレモンを買って,家路を向かう。
わたしも母に見習って作ってみよう。
大切な貴方のために,魔法を込めた苺ジャムを。
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