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女子大生はだんだんとこちらに近づいてくる。
「……あのー、この子見ませんでした?」
そうやって携帯の画面を俺に見せてくる。
画面の中にはとても綺麗な長髪の美しく青い瞳の女性が写っていた。
「……外国人の子ですか?」
そう思わず聞いてしまう。
「いえ、ハーフの子ですよー日本とデンマークの。それより見ました?」
「あ、ちなみにこの子、 うお ひめ って言うんですけど。魚に姫って書いて魚 姫。」
その名前を聞いた瞬間俺は全身に電気が流れたかのような感覚に陥った。
「……いえ、見て、ないですね」
「そうですかー……、ありがとうございます」
「……はい」
俺は女子大生を見送ると、天井を見上げた。
そして叫んだ。
「いや、めっちゃ近くにいたァァァァァ」
そうして俺は数日間、司書から出禁を命じられたのだった。
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