人魚姫と姫

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俺はいつものようにベンチに座ってコンビニで買った簡素なおにぎりを食べる。 あの日、女子大生は彼女はデンマークとのハーフだと言っていた。 "人魚姫"は確かデンマーク発祥のお話だった筈だ。そして、あの特徴ある名前と綺麗な顔。 間違いなく、というより絶対彼女は人魚姫だ。 何とか彼女と接触を試みたいが、何と言えばいいのか。 彼女には恐らく前世の記憶は無い。 「はぁ……どうっすかな」 そんなことを言っていると目の前からふわりといい匂いが漂ってきた。 それと同時に凛とした声の持ち主が話しかけてきた。 「あの、ここ隣良いですか?」 驚いて顔を見上げると、そこには"彼女"がいた。
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