人魚姫と姫

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「に、人魚姫!?」 「いえ、確かに私の名前は魚 姫(うお ひめ)ですが人魚姫ではないですよ?」 そう答える彼女に、俺はハッとして口を抑える。 「す、すみません…初対面なのに」 「…………いえ、大丈夫です」 ニコリと笑う彼女に俺の心臓がどくんと高鳴る。 やっぱり自分が彼女に恋焦がれているのだと実感出来た。 「おにぎりですか?」 隣に腰掛ける彼女がそう聞いてくる。 「え、あ、はい。具は明太子です……」 「ふふっ」 俺が答えると何故か彼女は笑う。 どうしたのだろうか。何か可笑しいことでも言ったか心配になってくる。 そして思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
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